「柔道が上達しない」といって悩んでいる少年少女が増えているといいます。
その原因として、柔道人口の減少はいうまでもありませんが、「適切な指導が受けられていないケースが多い」といった辛辣な指摘も見られます。
勝利至上主義の競技柔道により、勝つことを優先するがために、現場に無理が出てきているわけです。
一部の強豪選手だけを優遇したり、安全を軽視した無理のある練習法を強要する、心と肉体を酷使する厳しい稽古が日常的に行われている現場が少なくないなど、表沙汰になることは少ないとしても、このような傾向が蔓延している状況は、あなたも実感しているかもしれません。
講道館少年部の指導責任者で講道館柔道七段の向井幹博さんも、勝利至上主義の競技柔道が蔓延している状況を危惧する一人です。
もちろん、ただ現状を嘆くだけでなく、学生世代が将来、有能な柔道家として活躍できる土台をつくるための練習法と指導法を提示し、日々の稽古にいかしています。
この練習法・指導法を広めるためにまとめたのが「柔道ジュニア選手育成プログラム」です。
向井さんの20年を超える指導経験をもとに、子供たちならではの上達を妨げる問題点と、その対策をふんだんに盛り込んだ教材です。
柔道ジュニア選手育成プログラムのポイントを纏めました。
- 将来を見据えた基礎技術指導
- ジュニア選手特化のトレーニング法
- 小学生の目線での動画解説
小学生の時期は、勝ち負けよりも「柔道をより楽しくなってもらう」ことを優先するべきだと向井さんは考えています。
そのうえで、必要不可欠な最低限の技術を身につけて、柔道の土台をつくることが、長期的な上達のセオリーです。
現在の練習がつまらなく感じたり、すぐに試合で成果が出せなかったとしても、いま実践していることが、柔道選手としての明るい未来につながることが分かれば、諦めることなく前進して行くわけです。